「お米の研ぎ方・洗い方は?」「水加減で悩む…」「浸水時間ってどれくらい?」など気になりますよね。
いつも同じ炊き方なのに炊きあがりが違うのはなぜ?
そんなあなたに「ご家庭で簡単にできる!理想のお米の炊き方」を山形県の小さなお米屋「阿部ベイコク」ご紹介します。
この記事の炊き方を実践するだけで、ご飯が炊きあがるのが毎日楽しみになるはずです!
もくじ
この記事がお役に立てば幸いです。
はじめに
ここに書いてある「お米の炊き方」は、とても簡単ですぐに実践できます。
ご家庭ではこの炊き方をベースに、お好みに応じ、微調整を繰り返すことで、より一層理想のご飯が炊きあがることでしょう。
なぜ微調整が必要なの?
お米は、銘柄や年産・産地、保管環境、新米かどうかなどなどで、品質や状態が異なります。繊細なのです。
また、炊飯ジャーの機種や、個々の好み、満足度も人それぞれかと思います。
正確に言えば、同じ農家さんの同じ銘柄のお米でも、ひとつとなりの田んぼとなれば、お米は微妙に異なります。(※食味検査でわかるくらいの微妙)
そのため微調整した炊きあがりの変化を楽しみつつ、我が家流の炊き方をみつけていただけますと幸いです!
お米の炊き方5ステップ
理想のご飯を炊くには、計量と時間を正解にするのがポイント。
「毎回炊きあがりが違うんだよね…」という方は、下記に注意して実践してみましょう!
- 米の量
- 水の量
- 洗う時間
- 浸水時間
ステップ1:お米の計り方
お米は「計量カップすりきり」でピッタリ計ります。
まず計量カップにお米を山盛りにし、すりきり棒などすりきることで正確に計ることができます。
(お米を計量カップにギッチリぎゅうぎゅうに詰めてすりきる計り方もありますが、個人的に面倒なのでやっていません汗)
お米の計量にムラがあると適切な水の量も変わるので、毎回正確な量のお米を計量することが大事なのです。
ステップ2:お米の研ぎ方・洗い方
最近は精米技術が上がったので、昔のようにガシガシ研ぐ必要はありません。特に熟練者でない場合は、ガシガシ研いで米が割れてしまうこともよくあります。
お米は「研ぐ(とぐ)」ではなく、「手早く洗う」というイメージです。
①すすぐ(2セット)
計量したお米の入った炊飯釜に、たっぷりの水を入れ、2~3回大きくかき混ぜたら、水をすぐに捨てます。
このすすぎを2回繰り返してください。
ヌカが溶けだした水をできるだけお米に吸収させたくないので「最初の水は約10秒以内に捨てる」がポイント!
すすぎ水を捨てて、釜にお米だけになったら「②洗う」へ。
②洗う(2~4セット)
指を立てて30回ほど大きくかき混ぜます。
(ギュッギュッと強く押したり、意図的にこすり合わせる必要はありません)
また、たっぷりの水を入れて、大きく2~3回かき混ぜ、水をすぐに捨てる。
この洗いをお米の量にあわせ2~4回行います。
洗う回数の目安はこちら。
- 1~3合:2セット
- 4~7合:3セット
- 8合以上:4セット
③すすぐ(2セット)
最後にもう一度「①すすぐ(2セット)」をして完了です。
※研ぎ洗いしているときもお米はどんどん吸水するので、①~③はトータル10分以内に行いましょう!もっと詳しく知りたい人は、次の「お米の研ぎ方」をご覧ください。
毎回ほぼ同じくらいの時間で終わらせると、お米の吸水量もほぼ同じになるので、次のステップ「水加減」が上手にできます。
ステップ3:水加減
初回は難しいことは考えず、炊飯釜の目盛りで炊いてOKです。大失敗はしないはず…。
今回の炊きあがりをチェックし、次回の水加減で微調整しましょう。
- お好み通りなら「そのまま」
- 硬かったら「少し水多め」
- 柔らかかったら「少し水少なめ」
ステップ1でお米を正確に計量し、ステップ2で研ぎ洗い時間(研ぎ洗いのさいの吸水量)を毎回一定にすることで、水加減の調整も正確になります。
ちなみに新米(秋に収穫され、その年の12月31日まで精米されたお米)は、多くの水分を含んでいます。
そのため、その年の新米に切り替える際は、いつもより若干少なめの水加減から試し炊きするのがオススメ。
ステップ4:浸水時間
水温によってお米の吸水スピードが変わるので、下記のように覚えておくとOK。
- 夏場は「30分~1時間」
- 冬場は「1~2時間程度」
十分な浸水(吸水)をすることで、お米はふっくらとし、甘味や粘りを引き出します。
浸水時間が長ければ長いほど良い、というわけではありません
お米は約2時間で「もう吸水できないよ~」という飽和状態になるため、それ以上漬けおきする必要はありません。
むしろ、デンプンが溶け出してしまい不味い仕上がりに…涙
予約炊飯は13時間以内(夏場は8時間以内)まで
予約炊飯する場合は、あまり長時間経ってしまうと菌が増殖してしまう可能性があるので、13時間(夏場は8時間)を超える予約はNG。
また、炊き込みご飯は予約炊飯そのものが厳禁。やはり雑菌や具材の腐敗の心配があるので、取説にしっかり書いてあります。
イマドキの炊飯ジャーは自動浸水
一般的には浸水時間が必要ですが、イマドキ炊飯器には「自動浸水」なる機能があります。
我が家の炊飯器は、予熱工程でしっかりお米に吸水させるので、研ぎ洗い後すぐに「炊飯スイッチON」できちゃいます。
お使いの炊飯ジャーの取り扱い説明書をチェックしてみてね。
炊飯ジャーにセットするときは水平に
炊飯釜のお米が斜めになっていると炊きムラしやすいので、ならして水平にセッティングしましょう。
ステップ5:むらし・ほぐし
「むらし」は、炊いた直後のお米は水分が多くベチャベチャしているので、蒸らすことで一粒一粒の水分が均等に。
「ほぐし」は、余分な水分を飛ばし、炊きムラをならす。
どちらも美味しく食べるための重要ステップです。
イマドキ炊飯ジャーは、ほぼ自動むらし
最近の炊飯器は自動で「蒸らし」をしてくれるので、炊きあがりのメロディが鳴ったらすぐ「ほぐし」でOK。(※こちらもお使いの炊飯器の取説をご確認ください)
蒸らし機能が付いていない場合は、フタを開けず、そのまま10~15分お待ちください。
蒸らしは火を止めても高温状態を保つことがポイント。土鍋で蒸らすときは、穴をふさいで密閉度や圧力を高めよう。
蒸らし終わったら、ほぐし
ご飯がべとつかないように、すばやくほぐし、余分な水分を飛ばします。
なべ肌からしゃもじを立て入れ、お米を大きく起こし、かたまりを切るように。
4/1ずつほぐすと、お米粒をつぶさずに上手にほぐすことができますよ。
最後に、なべ肌は熱くなりやすいので、なべ肌から少し離すイメージでご飯を山のように真ん中によせましょう。
お米を炊くときは「冷水」で
お米の研ぎ洗いや、浸水するときの水温が高いとお米の吸水スピードが早くなりすぎ、失敗の原因に。
「冷たいから…」と温水を使ってしまうと、温度差でお米が割れ、ベチャベチャご飯になってしまうことも。
お米は15℃くらいの冷水でじっくり時間をかけて吸水することで、ふっくら炊きあがります。
冬の水道水はとっても冷たいですが、美味しいご飯のため頑張りましょう。
夏場は「氷を入れる」裏技もあります。ただし、氷が解ける分も考えながら水の量を調整してくださいね。
保温はしない、すぐに冷凍
長時間の保温は「乾燥・ニオイ・変色」と悪いことばかり…汗。炊き立てを食べ、余ったら「すぐに冷凍」が美味しいご飯のコツ。
解凍するときは「熱いまま」です。
冷めたご飯は、硬く、水分が抜けておいしくないので、炊き立て美味しい状態で冷凍します。
ラップで包んで、粗熱をとってから冷凍庫に入れると、冷凍庫内の温度も下がりにくく、他の食品にもやさしいです。
また電子レンジで解凍するときは「1回1~2分温めたら、ほぐしてもう1回加熱」のように2回に分けると、均等に解凍できます。
ミネラルウォーターを使った方がいいの?
水道水でも十分おいしく炊きあがりますが、水道のカルキ臭が気になる方は浄水器をつかったり、ミネラルウォーターで炊いてみるもの良いかと思います。
ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウムのミネラル分の含有量の違いで「軟水と硬水」があります。
日本の水道水はほとんどが軟水、ミネラルを豊富に含んでいる硬水。
硬水で炊くとミネラル分がお米の表面に付着し、吸水をさまたげパサパサご飯になってしまうので、「お米を炊くときは軟水」を選びましょう。
ミネラルウォーターには軟水と硬水があり、お米を炊くときは「軟水」を選びましょう。
また、1回目のすすぎでお米は約70%吸水するので、最初と最後の漬け置きでミネラルウォーターを使うと良いです。
炊飯器のお手入れも美味しさの秘訣
内ぶたや、蒸気口などにお米があると圧力や熱が逃げてしまい、炊飯器の本領を発揮することができないことも。
まして、古いお米が残っていれば腐敗や菌の増殖も考えられ、不潔ですよね。
また、最近では炊飯器を使った簡単料理レシピもたくさんありますが、ニオイが残ってしまうと、お米を炊いたときにご飯に臭いが移る心配もあります。
炊飯毎に、清掃・洗浄して、キレイに清潔に保つことが、理想のご飯への第一歩ということもお忘れなく!
クエン酸や重曹でお手入れする方法もありますが、お使いの炊飯器の取説要確認です。
フッ素加工が施されている炊飯釜は、下記に注意。
- 食器洗い桶かわりにして傷つけない
- お酢を使わない
- タワシ・磨き粉はNG
古くなったお米を美味しく炊くには!?
買ってからだいぶ経ってしまったお米…。
でも虫やカビが発生していなければ、まだ食べられるし、捨てるにはもったいない!
そんな時は、下記を試してみてはいかがでしょうか。
水の量を通常よりも「やや多め」にする
お米は精米後から水分が徐々に失われ、乾燥が進むほどパサパサした炊きあがりになります。
そのため普通通りの水の量で炊くと、芯が硬くなったり、パサつきが出てしまう。
まずシンプルにお米に乾燥した分も吸水してもらうため、通常よりも「やや多め」の水量で炊いてみよう。
ヌカ臭さが気になる場合は
一切れの昆布や料理酒、オリーブオイル・サラダ油・マヨネーズなどを少量加えて炊くと、調味料の風味や旨味が炊きあがりのヌカ臭さを抑えてくれます。
みりん、はちみつなど、甘味成分を含む調味料は、なべ底が焦げ付きやすいので注意。
料理でアレンジする
お米料理の定番チャーハン・ピラフは、炊きあがりのパサつきを逆に利用して、美味しくアレンジできます。
また、オムライス・カレーライス・雑炊・お茶漬け・おかゆ・丼もの・酢飯・ドリア・パエリア・リゾットなどなど、ご飯がメインだけど誤魔化せちゃうメニューにチャレンジしてみては?
まとめ
- お米の炊き方は微調整を繰り返し、より美味しく
- 米の量・水の量・洗う時間・浸水時間は、毎回正確に
- 洗うとき・炊くときは冷水で
- 保温はしない、熱いまま冷凍
- 炊飯器は常に清潔に
- 古いお米も食べられるけど、新鮮なうちに食べきる