「みんないくらのお米買っているの?」「スーパーと通販、どっちが得?」
「お米は値段が高ければ高いものほど美味しいの?」
そんなあなたへ、山形県の小さなお米屋 阿部ベイコクが「お米の値段」について解説します。
販売者側のウラ事情を知ることで、失敗しない・損しないお米の買い方をマスターできることでしょう!
もくじ
この記事がお役に立てば幸いです。
お米の値段はどうやって決まるの?
お米そのものの値段は、主に「品種・産地・産年・等級」で決まります。
品種ごと値段の違い
お米は品種ごと、人気の高さや希少性などで、ある程度の相場が決まっています。当店取り扱い商品を値段が高い順に並べると下記になります。
- つや姫
- コシヒカリ
- 雪若丸
- ササニシキ、ミルキークイーン
- ひとめぼれ、はえぬき
例えば、一番高級な「つや姫」は、人気が非常に高い品種。味もバツグンに良いので、お値段以上の満足度でリピーターが多いお米です。
一方、山形県の作付面積の約6割を占める「はえぬき」は、食味は良いのに全国的な知名度が低いので比較的安価。つまり、美味しくてリーズナブルです。
低アミロース米の「ミルキークイーン」は、もち米のような強い粘りで、好きな方には絶大の人気があります。ただし栽培の難しいお米(収穫量が少ない)なので希少性が高めで、お値段も高くなりがち。
このように、品種ごとの「需要と供給」がお米の値段のベースにあります。
産地による値段の違い
お米は気候風土・水など、様々な栽培環境によって食味が異なります。
例えば、全国各地で栽培されている「コシヒカリ」は、一般的に下記のように言われています。
- 東日本産コシヒカリ:柔らかく、もっちりした粘り
- 西日本産コシヒカリ:しっかりめの歯ごたえ、粘りは弱め
また、最高級のブランド米「魚沼産コシヒカリ」は、一般コシヒカリの約2倍以上のお値段。さらに美味しいとされる「南魚沼産」は、もっと高級です。
このように品種が同じでも、産地によって値段も違います。
産年による値段の違い
秋ころに「新米」が市場に出ると、それまで普通に売られていた昨年産のお米は「古米(こまい)」となり、市場価格は大きく下がります。
「古米」と聞くと悪いイメージが浮かんできますが、玄米での保管状況が良く、精米日が新しければ、まだまだ十分美味しく頂けます。
稀に50%OFFなど激安価格で販売されてるお米は「産年」を確認してみましょう。信頼できる店舗であれば、あえて状態の良い「古米」を格安で買うのもアリです。
等級による値段の違い
お米は農産物検査で、4種類(1等級、2等級、3等級、規格外)の等級に格付けされ、等級が高いほど高値で売買されます。
農産物検査とは「公正かつ円滑な取引とその品質の改善とを助長」するための全国統一的な基準。これにより現物を確認しなくてもお米の品位がわかるので、産地と卸業者などの取引がスムーズに行えます。
区分 | 整粒割合 | 含有水分 | 被害粒、死米、着色粒、異種穀粒・異物混入の合計 |
1等級 | 70%以上 | 15%以下 | 15%以下 |
2等級 | 60%以上 | 15%以下 | 20%以下 |
3等級 | 45%以上 | 15%以下 | 30%以下 |
規格外 | 上記規格に該当せず、異種穀粒・異物が50%以上混入していないもの |
等級はお米の見た目に関する評価のため「等級が高い=美味しい、等級が低い=マズイ」というように、等級と味がイコールではありません。
(「特A」など、炊飯した白飯を試食する食味ランキングとは異なります)
ただし、玄米から白米にしたときの取れ高「歩留まり」に影響します。
- 1等米:歩留まり92%(目安)
- 2等米:歩留まり89%(目安)
- 3等米:歩留まり85%(目安)
例えば玄米100kgを精米した場合、1等米は約92kg、3等米は約85kgの白米となり、約7kgの差が出ます。そのため歩留まりが良い1等米の方が高値になります。
農産物検査するお米は全体の約6割ほど
平成30年産米のデータでは、農産物検査を受けたお米は全体の67%程度となっています。
農産物検査は義務ではありませんが、検査を受けることでJAS法により「産地・品種・産年」を表示して販売することができます。
一方で検査にかかる費用をカットして「未検査米」として安価で流通するお米もあります。ただし「産地」は国内産となり、「品種・産年」は表示できないため、こちらも信頼できる店舗での購入をオススメします。
「スーパー」と「ネット通販」どっちで買うのがお得?
お米をどこで買おうか悩んでいる方へ、スーパーと通販で購入する際の「値段、品ぞろえ、安心感、緊急時、便利さ」5つのシチュエーションで比較。
値段はケースバイケース
ネット通販は配送料(送料無料でも商品代金に送料が含まれる)がかかるため、同じ商品であればスーパーなど実店舗の方が通常は安いです。
しかし、楽天市場やYahooショッピング・amazonなど、様々なECモールは独自のセールやポイントUP・クーポンイベントなどが多数あります。
条件やタイミング次第ではネット通販の方が安く購入できることもあるのでケースバイケース。
品ぞろえは「通販」の勝ち
当たり前ですが、品ぞろえは圧倒的に「通販」が多いです。
- スーパー:棚に並べてある商品から選ぶ
- 通販:全国各地のお米を選び放題
ただし通販に不慣れな方は、目的のお米を探しきれなかったり、種類が豊富すぎて選びきれなかったり、というデメリットもあります。
安心感は「スーパー」の勝ち
スーパーなど実店舗では、購入前に現物を確認できるのが大きなメリット。精米時期や製造元はもちろん、お米を直接目で見て、不安があればその場で店員さんに直接聞くこともできます。
一方、通販は米専門店もいれば、専門性が低い代行販売や個人出品の場合もありピンキリ。またストアごとの顧客対応のレベルも大きく差があるので、初購入するときはストアの見極めが重要。
緊急時は「スーパー」の勝ち
「今日のお米が足りない!」という緊急事態には、やはりスーパーなど実店舗がスピーディー。
通販は、最短でも注文の翌日配送(amazonで当日配送できるサービスもありますが、ほんの一部商品の一部地域のみ)。発送が遅いストアだと1~2週間かかることも(汗)
便利さは「通販」の勝ち
通販の大きなメリットのひとつは、いつでもどこでも簡単に注文できて、自宅の玄関先まで届く、という点。
出掛ける準備をして、スーパーまで行き、重いお米を持って帰る…、その労力と時間を考えれば、通販の送料は安いですよね。
通販でお米を買うときのポイント
自分のライフスタイルにマッチしたECモールで買う
各ECモールにはお得をアップさせる付加要素があり、自分のライフスタイルにマッチしたECモールを利用することで、特別なサービスを受けることができます。
- 楽天市場:「楽天カードで支払うとポイント〇倍」etc
- Yahooショッピング:「PayPay払いで〇%還元」etc
- amazon:「プライム会員は無料配送サービス、お急ぎ便」etc
- 他にもたくさん
ECモールのイベントデーに買う
各ECモールのイベントデーを利用することで、さらに特別な付加サービスを受けることができます。得するタイミングで、得する買い方をしましょう。
- 楽天市場:0と5のつく日、お買い物マラソン、etc
- Yahooショッピング:毎週日曜日は〇倍、etc
- auPAYマーケット:3のつく日は三太郎の日、etc
- 他にもたくさん
疑問や不安があれば購入前に「問い合せ」
ネット通販の商品ページでわからないことがあれば、遠慮なく「問い合せ」しましょう!問い合せの返答次第で、お店の信用度もわかります。
購入後の問い合わせでは、お店の対応が間に合わないことや、そもそも対応不可の場合があり、トラブルになるので事前に確認しておきましょう。
量(重さ)を決めてから選ぶと失敗しない
一度にたくさん買った方が値段が安くなりますが、必要以上のお米を買ってしまうと消費しきるまでに劣化が進み、味は落ち、最悪の場合「虫・カビ発生」の原因につながります。
「夏は2~3週間、冬は2か月以内」に消費できる量を目安に購入し、適切なお米保管をオススメします。
ストアの信用度を見極めるには「レビュー」も活用
通販では、ほとんどの場合「商品レビュー」や「ストアレビュー」を確認できます。
レビューは実際に商品を購入した人の生の声なので、初めて利用するストアを見極めるさいの参考になります。
特にチェックしてほしいのは「悪い評価のレビュー」。内容の確認と、それに対するストアの対応で信頼できるお店かどうか、ある程度判断できます。
一部、お客様側の偏見や勘違いによるマイナスレビューもあるので、鵜吞みにせず「総レビュー数」と「低評価レビュー数」の割合も考慮すると良いです。
1食(1杯)あたりで考えてみると、お米はとっても安い
お米は5kg、10kg単位で買うことがほとんどで、一度に数千円かかるので「高い」と感じがちですが、1回の食事で考えてみると非常にリーズナブル!
- 米1合=約150g
- お茶碗1杯=約0.5合=約75g
お米の購入価格に対する「1合あたり」「お茶碗1杯あたり」のお値段を下記表にまとめました。
5キロ購入価格 | 1合(150gあたり) | 1杯(0.5合あたり) |
1,500円 | 45円 | 22.5円 |
2,000円 | 60円 | 30円 |
2,500円 | 75円 | 37.5円 |
3,000円 | 90円 | 45円 |
3,500円 | 105円 | 52.5円 |
10キロ購入価格 | 1合(150gあたり) | 1杯(0.5合あたり) |
2,500円 | 37.5円 | 18.8円 |
3,000円 | 45円 | 22.5円 |
3,500円 | 52.5円 | 26.3円 |
4,000円 | 60円 | 30円 |
4,500円 | 67.5円 | 33.8円 |
5,000円 | 75円 | 37.5円 |
5,500円 | 82.5円 | 41.3円 |
6,000円 | 90円 | 45円 |
例えば、5kg2,000円のお米ならお茶碗1杯あたり30円。お代わりしても60円しかかかりません。コンビニでパンを買うより、はるかに安いです。
ちなみに「米5キロ=約33.3合」「米10キロ=約66.6合」になります。
新米前の「8~9月ころ」は激安で買うチャンスかも!?
お米を買うとき「あれ?前回より安くなった?」もしくは「なんだよ値上げしたの?」という経験はないでしょうか?
じつは、お米の値段は常に変動しています。野菜や果物と同じように、需要と供給のバランスで販売価格が変わるのです。
お米の収穫は基本的に年に1回。(温暖な四国や九州では、少数ですが年に2回イネを育てる二期作している地域もあります)
そのお米を一年を通して販売していくのですが、お米の在庫が足りなくなりそうなら値上がりするし、いっぱい余っていたら値下がりします。
新米が出ると在庫していたお米は「古米」となり売れなくなるので、新米時期(当地方では9月下旬~10月初旬)の2~3か月前は、在庫処分のお米を激安で購入できるかもしれません。